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本の紹介「奄美もっと知りたい」 [本の紹介・書評]

FBに上げた記事ですが、年末奄美大島に行っていた。非常に面白く自分には居心地のいい島だった。この島の歴史や文化にはいろいろ考えさせられる。本とCDを紹介しておくので旅の参考までにどうぞ。 

 以下FB記事転載

奄美にも持って行ったが、それまで拾い読みしかしてなかった「奄美もっと知りたい」。神谷裕司という朝日新聞の記者が奄美支局にいたときの経験や記事などを引用しつつ書いた観光ガイドでは書かない奄美。97年に第一刷が出て、2010年まで増刷が続いている。もしこれから奄美大島に行くって人は全部これを読んでからいくといい。拾い読みしかしてなかったのは失敗だった。それくらい内容が濃い。

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島唄に関する記述ではまだ高校時代の元ちとせも登場。やはり島唄の世界でも注目されていた若手だったことがわかる。その後彼女は本の記述にあるように美容師で生計を立てようとするが、アレルギーがあって断念。Jポップの世界に進み「ワダツミノキ」でブレイクしていくことになる。

元ちとせの島唄時代(高校時代)のCDも取り寄せて聞いてみた。Jポップにもこの島唄の発声方法は生かされていると思う。ライブでこの人の島唄を聴いてみたいがもう叶わぬ夢だろう。しかし都内でも活躍中の若手が沖縄料理店などで時々ライブをやっているようなので行って見ることにしたい。


本の方だが、第二章「薩摩と琉球」では「本土と沖縄の谷間」とは「薩摩と琉球の谷間」だと説明。「両者の間であえいだ、そして、住民の力で難局をきりひらいたこともあった奄美の歴史」を述べる。流刑中に島の女性と一緒になり、事実上その妻を捨てた西郷隆盛についての厳しい記述もある。その他本土復帰運動や、惹かれて住み着きここで生涯を終えた島尾敏雄と田中一村という二人のヤマトンチュ、政争や開発と自然破壊、食い物に釣りにと盛りだくさんの本だ。なおお店のデータは古く、もう廃業した店もあるようなので最新情報を得てから出かけた方がいいだろう。

沖縄とヤマトの関係は反戦運動に関わるものはいろいろ考えているだろうが、ここでもう一つ奄美という視点を加えてさらに考えて見たらどうだろう。「本土を相対化する、いや、沖縄をも相対化する『奄美』の存在」(本書から)に気がつくかも知れない。そしてもう一度国家権力と地域、アイデンティティとは何か考える新たな視点を提供してくれるかも知れない。


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shira

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
by shira (2016-01-04 22:17) 

大洞

おめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
by 大洞 (2016-01-05 07:04) 

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