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宝塚ミュージカル「チェ・ゲバラ」 [映画・テレビ番組・演劇など]

「もし私たちが空想家のようだといわれるならば、
救いがたい理想主義者だといわれるならば、
できもしないことを考えているといわれるならば、
何千回でも答えよう。
「その通りだ」と。」

この有名なゲバラの言葉がこのミュージカルの最後に投影され、劇は終わる。思ったよりストレート勝負でキューバ革命への過程とゲバラの死を描いていく。2幕で25分の休憩を挟み2時間半。長くはなかった。あっという間だった。主演は轟悠(とどろきゆう)(写真)。過去リンカーンやドクトルジバゴを演じているようだ。さすがの貫禄か。

日刊スポーツの記事では以下の様に答えている。
「風間、天紫らの世代は伸び盛り。「『私はまだ何年目』と言うのは、自分に甘いだけ。『まだ研2ですが、これぐらいやります』と言ってほしい」。後輩に求める“熱さ”が、轟をゲバラに共感させる。ゲバラは来日時、広島を訪れ、核兵器廃止への思いを強くし、声をあげた。実も探り、役作りを進める。
「歴史上の人物を演じる際には、皆さんが知っていることの“下の部分”を大事にしたい。言葉の裏、写真の裏、中身ですね」」

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女性が男性を演じるのが宝塚歌劇だが、2階の前の方とやや距離があったせいもあるが、全く違和感がない。若い男性、オッサン、いろいろ出てくるがそれなりの演技は見事。みんなちょっと格好良すぎるけど。

 

さすがに「ベルばら」などで革命運動を描いてるだけはある。船でのキューバへの強行上陸作戦、装甲列車襲撃作戦など見事に歌劇で描いて見せた。ミュージカルでゲバラ?という疑問はなくなっていた。バティスタ政権の腐敗、民衆の困窮。こういう深刻な問題も見事にミュージカルでやって見せた。革命は成立するが、キューバ危機とソ連との関係をめぐりカストロとゲバラは対立に向かっていく。

だが実質2時間。シンプルにまとめざるを得ないから、キューバ革命の深部・暗部を描いたわけではない。バティスタ政権側にいた人間の処刑や言論抑圧もあったはずだが、それは出てこない。映画「エルネスト」で描かれた広島行きの話はないし、コンゴでの革命運動失敗も省略、ラストは一気にボリビアへ。むしろゲバラの死はあっさり描かれた。

ただ宝塚でこれを題材にした意義はそれはそれで評価していい。やはり圧倒的に女性が多いが男性も少々。隣に座った年配の女性は85歳。根っからの宝塚ファンらしい。手慣れたもので小型の双眼鏡持参していた。確かにこの距離では老眼が進んだ身には表情など細かい描写を見るのはきついな。ゲバラが広島に行ったことは知らなかった。少しその話などをした。こういう観劇をきっかけに、キューバ革命や共産主義、ゲバラ自身をもっと知ろうと言う人だって出てくるかも知れない。何でもきっかけは必要だ。

カストロやゲバラの問いかけ、残した課題は後の世代が解決をするしかない。資本による搾取はひたすら規模を拡大して続く。外国人労働者は今や146万人も日本で働き暮らすが、彼らの賃金は「実習生制度」という美しい名前の制度のもとで日本人よりはるかに低い。だが彼らの祖国での賃金よりずっと高かったりする。問題は我々に突きつけられている。こういう問題に正面から向き合えない政治家は信用できない。安倍政権の腐敗もバティスタ政権並にひどいのだ。支配のシステムはもっと巧妙だが。

 

同行した女性は須江さんといって砂川平和ひろばの運営メンバー(写真は60周年現地集会で司会を務めたとき)。ボリビアに行ったゲバラについて「大洞さんならどうしますか?」は難問だよな。その状況にならないとわからない。キューバ革命についてつらつら考える。

 

 

 

 

 

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