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北朝鮮難民(講談社新書)石丸次郎著 [本の紹介・書評]

 
玉本英子さんと名刺交換をした。アジアプレス大阪オフィスの文字で、この石丸次郎さんを思い出した。玉本さんと石丸さんは同じ事務所なのだ。しばらく講演も聞いていないが、北朝鮮問題を考える上で非常に参考になった本の著書である。自分は拉致事件が平壌会談でクローズアップされて以降、焦っていろいろな本を読みあさった。何しろ、その北朝鮮という国の状況把握すらほとんど出来ていなかったのだから。その中でも、玉本さん同様、足を使い体を張って脱北者から大量の聞き取り調査を行った彼の文章には説得力があると思った。以下の文章はヤフウブログ時代に2005年秋に書いたものだが、再掲載を行う。文庫版なので、手軽にこの本は読めるはずだ。これと、太田昌国さんの「拉致異論」ぐらいは北朝鮮問題を考える上で、最低読んでおくべきだろう。(BORA)
 
以下再掲載

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再び「夕凪の街 桜の国」・原爆資料館への中韓から委員参加記事を考える [本の紹介・書評]

広島原爆資料館展示内容を見直す検討委員会に中韓からの委員起用を行いたい、と広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長が発言したことが2チャンネルなどで取り上げられて、反発を受けているようだ。
 
記事をよく読めばわかるが、資料館の展示が即「原爆肯定」になるわけでもないのに、妙に民族主義的な反発をしている人が多いようだ。記事にあるのは中韓の人の意見を聞き、展示に生かしたい、ということだけである。理事長が米国人であることを私も初めて知ったが、この4月に就任したばかりで、広島の在住も84年からと長い。日米の平和運動の架け橋のような役割の人のようだから、即「米国人だから原爆肯定なんだ」と短絡するのは、あまりにも底の浅い意見と言うべきだろう。
 
ただし、アジア、米国で原爆投下はやむを得なかった、とする意見が広範に存在することは事実。以下に掲げる「夕凪の町・桜の国」は日本でベストセラーになり、この夏に田中麗奈主演で映画も封切られる作品。これが韓国で出版されたときには韓国側の出版社の見解として「投下はやむを得なかった」という一文が付け加わった。自分は原爆投下にも、現在のあらゆる核兵器保有にも反対であるし、その一文に反発感もある。また資料館の展示がそうなるのにも反対だが、侵略戦争を起こした側から、その責任を明らかにしつつ、原爆がどんなひどい惨禍をもたらしたのか、説得力ある中身を作っていくことは必要であると思う。どんな方向性を出してくるのか、今後の資料館運営の行く末を注視していきたい。
 
とりあえず、前にヤフウブログで書いた記事を転載。読んでいない方は是非どうぞ。ただの反戦マンガではありません。不滅の傑作だと思います。
 
以下は過去記事転載  2005年3月頃の記事
 

2月中旬、体調不良の中、布団の中でこうの史代の「夕凪の街 桜の国」を読んだ。戦争と原爆を語る数ある作品の中でも、指折りに数えられる傑作と言っていい。映画化の話が進んでるそうだが、まず英訳して海外で出して欲しい作品。韓国では出るらしいが。お勧め品です。

この作品、漫画アクションに載ったとき結構話題になっていたらしい。不覚にも全然知らなかった。アニメ「火垂るの墓」で泣けた人は泣いてしまうかも。

1950年代と現代を結んで物語は進む。突き刺さる言葉の数々。
「十年たったけど原爆を落とした人はわたしを見て『やった!また一人殺せた』とちゃんと思うてくれとる?」

作者は後書きで劣化ウラン弾のことにもふれている。そう、終わった話ではないのだ。
「このお話は終わりません」「何度夕凪が終わっても終わっていません」

「広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ」というメッセージは素晴らしいな、と思う。

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