父の死・しばらくブログをお休みします

８月７日、駅で転び外傷性くも膜下出血で２年８ヶ月もの闘病生活を続けていた父親が他界した。７９歳だった。病院と自宅でのリハビリを往復し、車いすを使ってある程度動ける状態にまで回復した時期もあったが、栄養は点滴や胃腸につないだチューブからとっていた。好きだったお酒はもちろん、普通の食事をすべて禁じられ、本人は一時でもいいからお酒が飲めるように戻りたいと願っていたと思う。ついに回復することはなかった。反戦ビラ事件のことは非常に気にしていた。勝利ではないにせよ、その裁判終結を枕元で報告できたことだけがせめてもの救いだった。

父親の生きた青春時代は戦争だった。尋常小学校のみを出て予科練に行ったところで終戦になった。好きな女性とオープンにつきあうことすらできない。女性と話していただけで「おまえは生意気だ」と殴られたこともあったそうだ。戦後は千葉の方でなれない畑仕事などをしながら、必死で食いつないでいたようだ。そんな戦争体験の話をもっと聞きたくてももう父はいない。

人間の一生とということを思う。自分の一生をも振り返る。歴史というもの、運命というものをも考える。１０日に通夜、１１日に葬儀とばたばたと儀式を進行させ、そこで初めて喪主をつとめる。次に４９日、納骨の準備などを母と打ち合わせながらもいろいろな思いが駆け抜けていく。

救援会はまだ存続しており、秋の国連人権委員会へ提出するオルタナティブ・レポートも英訳の作業に入った。まだしばし救援会の活動は続くだろうが、このブログの方はほぼその役目を終えたようだ。当分の間、休止とさせてもらいます。ここまで裁判闘争の支援をいただいた皆さん、どうもありがとうございました。

コメント 10

お久しぶりです。
久しぶりにのぞいてみたら、思いがけない訃報が。
お父様、長い闘病生活だったんですね。
周りの家族の方たちもご苦労されたことでしょう。
私の母も今、胃がんと闘っている最中です。
自分の親が病気や死を目の前にし、私も改めて親の歩いてきた道のりを思い返し、生きているうちに親孝行をしておかなくちゃ、と思いました。
すみません、つまらないコメントしか残せなくて。
お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
by みーみ (2008-08-20 20:38) 

お久しぶりですね。みーみさんのブログも放置状態ですか。私の方も少々疲れました。しばらく更新停止です。お母様の病状が早く良くなるようお祈り申し上げます。
by solea01 (2008-08-20 20:47) 

反戦ビラ事件のことは心配なさっていたでしょうね。「勝利」の報告ができたなら本当に良かったのに・・。
私の父も死の一週間前まで、知事に苦言を書く、と便せんを枕元に置いていました。思い残すことなく死をむかえるなどめったにないことなのだな、と感じています。さまざまな後悔と無関係に、厳然と死はやってきてしまいます。
せめて故意に人の命を奪うことをよしとする世の中（国）にだけはしたくないです。
by tamara (2008-08-20 21:13) 

きっと全く悔いのない人生なんて存在しないのでしょうね。また「死」も理不尽なもので、突然やってくることもあります。人の命はもちろん、命を大切にするということの意味を考えます。
せめて頭の上から爆弾が降ってきて人生が終わったり、路上で爆死するなんてことだけはない世の中にしたいものです。
by solea01 (2008-08-20 22:15) 

そうでしたか。。。
私の父も今年79歳です。
ちょうど戦争に、青春時代をとられてしまった世代ですよね。
父は台湾からのひきあげ者なのですが
いろいろな苦労話、もっともっと聞かなくちゃ。。。

ご尊父さまのご冥福をお祈り申し上げます。
by ままデエリス (2008-08-21 10:02) 

７９歳というと今の日本人男性の平均寿命だそうです。父は何とか平均寿命のラインまでは行ったわけですが、できればもう少し長く生きてほしかったです。まだご存命中のお父さんを大切にして上げてください。
by solea01 (2008-08-21 20:25) 

　大変ご愁傷様です。
　私の母もくも膜下を患いました。幸いそれは治癒しましたが障害は残って、今は施設暮しです。いろいろありますが、それでも生きているというのはありがたいことです。
　それにしても、ビラ配りが逮捕立件される一方、派遣労働者は鍵もないアパートに押し込まれて管理側に突然ズカズカと侵入されても文句も言えないというこの国の状況は完全に異常です。応援していますので、頑張ってください。
by shira (2008-08-21 23:13) 

ご声援、お悔やみありがとうございます。くも膜下出血はいろいろな原因で起こるようで、過労なども原因になるようです。親戚で部下の結婚式に出席中に倒れ、病院で亡くなった方もいました。働き過ぎの日本の状況も変えて行かなければなりませんね。施設暮らしとは大変ですね。少しでも回復することをお祈りします。
by solea01 (2008-08-22 06:03) 

私もつい最近、喪主として葬式と四十九日を経験しました。
死はほんと突然で理不尽ですね。
by kame (2008-08-25 17:09) 

そうでしたか。全く死は理不尽です。でも、病院や自宅で家族友人にみとられていくならましかも知れません。戦争で死ぬのに比べれば、ですが。
by solea01 (2008-08-25 19:14)