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世田谷国公法事件控訴審不当判決を批判する声明 [反戦ビラ闘争日誌]

             世田谷国公法事件控訴審不当判決を批判する

 5月13日、東京高裁第6刑事部 (出田孝一裁判長、多和田隆史裁判官、矢数昌雄裁判官)は、世田谷国公法弾圧事件の元国家公務員宇治橋眞一さんの控訴を棄却し、罰金10万円の不当有罪判決を維持する判決を言い渡した。テント村はこの判決は国家公務員の思想表現の自由を大きく縛るものであり、極めて不当なものとして批判する。
 本裁判を担当した出田孝一裁判長は、1月には事実に基づく証拠調べを一切拒否し、裁判官忌避をも許さずに強権的に結審させ、この5月に不当判決を言い渡した。はじめに結論ありきの不当な訴訟指揮であったことは明らかだ。

 3月には同じ国公法によるビラまき弾圧事件である堀越さんの裁判で東京高裁は原判決を破棄し、無罪を言い渡した。この堀越事件の控訴審判決の中で、「政党機関紙配布が行政の中立的運営を侵害するとは考えられず、罰則適用は国家公務員の政治活動の自由に必要限度を超えた制約を加えるもので、表現の自由を定めた憲法に違反する」と判断し、さらに、国家公務員の政治的行為については、「最高裁判決(猿払判決)以降、国民は許容的になっており、刑事罰の当否を含め再検討されるべきだ」とさらに踏み込んだ認識をも示している。この堀越事件の判決とは全く反対に、今回出田裁判長は、「機関紙の配布は政治的偏向が強い行為」とした上で「放任すると行政の中立的運営が損なわれ、党派による不当な介入や干渉を招く恐れがある」と断定したが、表現の自由を制限することの危険性については一切述べていない。自分は公務員ですと名乗るわけでもなく、休日に単なる私人としてビラをまく行為が行政への介入になるわけがない。出田裁判長の判決は国家公務員の政治的な表現の自由を奪い、国家への統制に従わせようという不当なものなのである。

 日本の国家・地方公務員に対しては労働組合の活動に関しても厳しい制限が課せられており、自衛隊・消防・警察など組合の結成そのものが出来ない職種も存在する。また国公法の政治行為の制限は憲法に違反すると批判する声も多い。
 日本で制限されている職種に団結権が認められている国は多くあり、ILOからも日本でも一定の団結権・労働基本権を認めるように勧告が出されている。

  また、一連のビラまき団結に対しても08年10月国連の自由権規約委員会が日本政府に対し、ビラ弾圧への「懸念」を勧告している。立川テント村の反戦ビラ弾圧事件を皮切りにした一連のビラ弾圧は、国家による不当な表現の自由に対する規制である。立川事件、葛飾事件など最高裁で有罪が出された事件についても判決内容が再考されるべきである。
 私たちは、世田谷国公法事件の控訴審判決を認めない。最高裁は、堀越事件、世田谷事件ともども無罪の判決を出すべきである。また表現の自由を脅かすあらゆる動きに対してテント村は幅広く団結を作り、今後も闘い続けるものである。

                   2010年5月16日 立川自衛隊監視テント村


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