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国公法弾圧・堀越事件、高裁逆転無罪判決を評価し、検察の上告断念を求める声明 [反戦ビラ闘争日誌]

国公法弾圧・堀越事件、高裁逆転無罪判決を評価し、検察の上告断念を求める声明

 3月29日、東京高裁は、元社会保険庁職員・堀越明男さんに対し、罰金10万円、執行猶予2年の有罪を言い渡した地裁判決を破棄し、逆転無罪判決を言い渡した。この事件が明らかな政治弾圧であること、公安警察が異常な尾行や監視を行った違法捜査の問題等には触れなかったこと、国公法と人事院規則自体は合憲と判断したことは残念ではあるものの、私たちは、今回の東京高裁による判決を、一連のビラ入れ弾圧裁判の中で唯一高裁が下した無罪判決として、高く評価する。

 国公法弾圧・堀越事件は、私たちに対する立川反戦ビラ弾圧(04年2月27日)の直後、04年3月3日に起こった事件である。この二つの事件以降、板橋高校卒業式ビラ弾圧事件、葛飾マンションビラ弾圧事件、世田谷国公法弾圧事件が相次いで発生した。これら一連の弾圧は、民主主義の根幹をなす表現の自由、その中でもビラ配布というもっとも基本的な表現手段を市民から奪うことを目的にした、明らかな政治弾圧事件である。どの事件も時の政府の政策や見解を批判し、反対する意見のみが弾圧対象となったことからも明らかである。

  今回、東京高裁が下した逆転無罪判決は、何よりも一連のビラ入れ裁判での有罪の判例を利用して、今後、新たな弾圧をつくりだそうとする公安警察や検察の画策を阻むものとして高く評価したい。
  今回、東京高裁は判決で、「政党機関紙配布が行政の中立的運営を侵害するとは考えられず、罰則適用は国家公務員の政治活動の自由に必要限度を超えた制約を加えるもので、表現の自由を定めた憲法に違反する」と明確に判断した。また、国家公務員の政治的行為について、「最高裁判決(猿払判決)以降、国民は許容的になっており、刑事罰の当否を含め再検討されるべきだ」とさらに踏み込んだ認識をも示した。

  そして、「さまざまな分野でグローバル化が進む中で、世界標準という視点からもあらためてこの問題は考えられるべき」とも述べ、国連の自由権規約委員会の勧告との関係についても示唆した。ビラ弾圧については、08年10月、国連人権(自由権)規約委員会が日本政府に対し、ビラ弾圧への「懸念」を勧告している。このような観点からも立川反戦ビラ弾圧有罪判決は再考されるべきである。
  一連のビラ弾圧事件は、自衛隊がイラク戦争に参加するために派兵される中で行なわれた弾圧である。戦争に向かう国家が必然的に向かうのは民衆の情報管理であり、人々の言論表現の自由の統制であることは、横浜事件の例そして朝鮮戦争の時期の弾圧の例を見ても、明らかだ。私たちは、戦時下における言論弾圧である一連のビラ弾圧事件を絶対に許さない。

  さいごに、今回の判決が、宇治橋眞一さんが被告である世田谷国公法弾圧の裁判にも、良い影響をもたらすことを期待したい。今回の無罪判決を受け、検察は起訴を謝罪し、上告を直ちに断念するよう強く求める。

                            2010年4月1日 立川自衛隊監視テント村


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